【対談】「ライフワークとしてのウクレレ」瀬尾芽実 × SHIN

編集部
今回は当メディア代表であるSHINと、彼の大学時代の同期であり彼の運営するウクレレスクールで講師を務める瀬尾芽実さん(以下めぐ)の対談記事です。彼女は元々SHINのスクールの生徒の一人でしたが現在は講師となり、さらに新年度からはフランスに移り住み現地でウクレレスクールを開校することに。昨年夏にウクレレを始めたばかりの彼女が、ウクレレを「ライフワーク」に選んだ背景とは?SHINの考えるウクレレスクールの在り方とは?2人の対談はウクレレ業界の今後を考える上で非常に刺激的な内容となりました。

–––– 本日はよろしくお願いします。まずはお二人の簡単な自己紹介をお願いします。

めぐ: 瀬尾 芽実(せお めぐみ)です。現在はSHINくんの運営するウクレレスクールで講師を務めています。ウクレレを始めたのは去年開講されたSHINくんのウクレレサマースクールがきっかけでした。大学卒業後から務めていた会社を先日退社し、新年度からは夫の仕事の関係でフランスへ行くことになっています。向こうでもウクレレをやりたいと思っていて、現地でウクレレスクールをやろうと思っています。

SHIN: Ukulele Liberty代表のSHINです。Fullestという会社を経営しながら、ウクレレ奏者&講師としても活動しています。去年の秋までは講師も自分で担当していたのですが、現在開講中のウインタースクールはめぐに任せて、今はサポートがメインです。

かつては大学の同期だった2人

–––– まず、お二人が大学で知り合ったころのことを教えてください。

めぐ: なんか改めて聞かれると変な感じだね(笑) 私とSHINくんは大学時代の音楽サークルの同期で、正直初対面のことはハッキリ覚えていなくて。

SHIN: 僕も正直そうなんだよね。

めぐ: 私が少し遅れてサークルに入ったということもあって、参加し始めた頃にはSHINくんはすでに幹事長をやってました。最初はその印象が強かったかな。あとはやっぱり、サイパンのイメージ。どう仲良くなったのかは思い出せないな…ライブや大学のラウンジなんかで話してるうちに少しずつ仲良くなったのかな。

SHIN: ほんと、いつの間にか仲良くなった感じだよね。

「南の島」から興味を持ったウクレレ

–––– めぐさんはサークルで何か楽器は演奏されていたんですか?

めぐ: 楽器は全くやっていなくて。ギターをやろうと思ったこともあったんですが、すぐくじけちゃいました。ライブには毎回ボーカルで出演してました。

–––– なるほど。そこからウクレレに興味を持ったのは何がきっかけだったんですか?

めぐ: サークルの卒業旅行で、SHINくん案内のもと彼の故郷のサイパンに行ったんです。そこで南の島にハマって。その旅行をきっかけにダイビングが好きになって、卒業後も旅行で南の島によく行くようになったんです。そうしているうちに、海の中だけではなくて海辺で楽しめる趣味も欲しいなあと思っていた時に思いついたのがウクレレだったんです。

–––– それもやっぱりSHINさんの影響が強かったんですか?

めぐ: 多分そうだったと思います。卒業旅行の影響で南の島といえばサイパン、っていうイメージができちゃって。サイパンと言えばSHINくん、SHINくんと言えばウクレレ、って自然と連想しちゃいますね(笑)

SHIN: それは嬉しいね(笑)

–––– ウクレレを趣味として始めるとなった時に、スクールに通おうと思ったきっかけは何だったんですか?

めぐ: ウクレレをやりたいなあと思っていたところに、ちょうどSHINくんが教室を開くことを聞いたので、SHINくんが教えてくれるなら通ってみようかなと思ったんです。

SHIN: 実はそのスクールを開くことにしたきっかけもめぐが「教えてほしい」って言ってきたことだったんだよね。元々やろうとは思ってたんだけど、需要がどの程度あるのか分からなかった時にたまたま声をかけてくれて。告知してみたら結構反響があったから始めようと思ったんだよね。

「教わる側」から「教える側」へ

–––– めぐさんは、元々生徒側だったところから講師になろうと思ったのは何がきっかけだったんですか?

めぐ: 元々人に何かを教えるのは好きだったんです。自分のできることを人に教えたら、その人がゼロからイチできるようになることにすごく魅力を感じて。自分にとってそれが、ライフワークって言うのかな。それで英語の先生もやってるんですが、自分が人に教えられることの中にウクレレが新しく加わったような感じです。

–––– なるほど。たしかにめぐさんのレッスンには一つ一つとても丁寧に教えてらっしゃるなあという印象があります。めぐさんが講師になるというのはSHINさんから持ちかけられた話だったのですか?

SHIN: そうだね。ただ、彼女がフランスでもウクレレをやりたいっていうのは聞いてたから、単純にそこから逆算して考えたっていうイメージかな。フランスで教室を持てるように、日本で指導の経験を積んでもらおうと思ったんだよね。自分が弾けるのと人に教えることができるのは全く別のことだから。

めぐ: 初めてのレッスンは少し狭いスタジオだったというのもあって、生徒のみなさんとの距離が近くてすごく緊張しました(笑) でも、レッスンの進め方や指導のポイントはSHINくんがレクチャーしてくれてるし、生徒のみんなもすごく一生懸命にやってくれているので、教える側もとても楽しいですね

「先生=すごい人」である必要はない

SHIN: 当たり前のことだけど、彼女自身今回のスクールで教える内容については完璧にできる。もちろん彼女にはウクレレに関する大きな実績があるわけではないけれど、先生としては十分な実力があると思うから任せられたんだよね。先生っていうと「すごい人」じゃないとダメだ、って思われがちだけど、僕は必ずしもそうじゃないと思ってるし、今はそういう時代だよね。

–––– 今はWeb上で自分の「スキル」を売るようなサービスもありますよね。

SHIN: そうそう。「自分ができることを人に教える」ことのハードルを下げるのが大事なんじゃないかな。誤解を恐れずに言うと、「教える」ことにハードルを感じている人が多すぎると思う。経歴が無いから、実績が無いから、私は「すごい」人ではないから。そういう理由でそもそも「教える」ことを選択肢に入れない方が多い。例え50代で始めても、60代になる頃にはもう数年〜10年以上の経験があるんだよ? 0年目の人からしたらそれはもう十分すぎる年数だよね。大会で○○賞取ったとか、音源デビューしたとか、そういうキラキラしたものが無くても全然問題無いんじゃないかな。もちろん、無いよりはあった方がいいけど、必須ではないはず。

「上手く弾く能力」と「わかりやすく教える能力」には、相関関係はあるけど、必ずしもイコールではない。大事なのは、ウクレレが好きで好きで仕方がないかどうか。その熱量があれば、大変なことがあっても乗り越えられるし、不足しているスキルも補おうと頑張れる。ウクレレが好きなら、その人には先生をやる資格はあると僕は思うよ。

フランスでの「これから」を語る

–––– めぐさんはフランスでスクールを持たれるということですが、「こんなスクールにしたい!」みたいなイメージはありますか?

めぐ: やっぱり自分がウクレレを始めたきっかけのサマースクールみたいに、屋外で弾くっていうスタイルはフランスでもやってみたいですね。ヨーロッパは日本と比べてたくさんの人が外で楽器を演奏しているし、そういうところに集まってくる人もたくさんいますよね。そういう意味でも、外でやるっていうのはすごく魅力なんじゃないかなと思います。

–––– めぐさんが参加されていたサマースクールも、芝生の上で弾いていたらカメラを持った外国人の方が写真を撮りに来ることもよくありましたもんね。

めぐ: そうだったね。それから、フランスには私と同じような境遇の日本人主婦の方もいらっしゃると思うんです。子育てで忙しい人もいると思いますが、ある程度子どもが大きくなると自分の時間を持てるようになって、その時間を持て余しちゃう人もいるはず。そういう人が子育て中に諦めざるを得なかった自分の時間を楽しめるよう、ウクレレを新しい趣味として提供してあげられたらいいなと思います。ゆくゆくは、現地の方や外国の方にも教えられたらいいなとは思うけど、言葉のこともあるからかなり先の話になりそうですね(笑)

「誰かのために」ウクレレを

–––– 逆にSHINさんから、めぐさんに「こんなことをしてほしい!」ということはありますか?

SHIN: もちろん大前提として、彼女のやりたいことを存分にやってもらいたいっていうのが一番だよね。そこにあえて僕の願望を言うのであれば、「誰かのために」ウクレレを弾いてほしいと思う。スクールで教えるっていうこと自体がすでに「誰かのために」っていうことになってるんだけど、めぐが言ってるような「楽しんでほしい」「新しいことを見つけてほしい」っていう考え方はすごく魅力的だと思うよ。ウクレレは人をつなぐ楽器だと思っていて、僕もスクールではそれをコンセプトにしてる。だからこそスクール内でのコミュニティをとても大事にしてるしね。やっぱり話を聞いていると、今めぐが考えてることをそのままやってもらえば、僕からとりたてて言うことは特にはないかな。自分の思った通りにやってもらいたい。

めぐ: 私はやっぱりウクレレを弾くことの本質って「コミュニケーション」なんだと思うんです。何度も言っていますが、私の参加した去年のサマースクールでは開放感のある公園でみんなで一緒にウクレレを弾くっていうのがすごく印象的で。私の場合はウクレレを弾いてる時は常に一人じゃなかったので。そういうところをフランスでも大切にしたいですね。フランスに行ったあと、私の周りで人と人のコミュニケーションが生まれるきっかけが、ウクレレだったら良いなあと思っています。

–––– ありがとうございました。

取材後記

「ウクレレを弾くことの本質は『コミュニケーション』」であるという考え方、そして「誰かのために」ウクレレを弾くという姿勢。お二人のウクレレという楽器の捉え方は、演奏歴や技術なんかよりも遥か向こう側にあるものを見据えているように感じました。お二人の教えるウクレレが、日本とフランスでどのように「人をつなぐ」のか注目です。ウクレレが「日本とフランスをつなぐ楽器」になる日も近いのかもしれません。

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Ukulele Liberty 編集部

「ウクレレでもっと自由に」をコンセプトに、当メディアにて記事を企画・執筆・編集をしております。1人でも多くの方にウクレレに興味をもってもらえるよう、日々奮闘中。

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