【Interview】アフリカ・ルワンダでウクレレとともに:タケダノリヒロさん

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今回は中部アフリカに位置するルワンダという国で、青年海外協力隊として活動されていたタケダノリヒロさんのご紹介。趣味でウクレレを演奏されているタケダさんに、海外での社会貢献やルワンダでの生活とウクレレがどのように関わり合っているのかインタビューさせていただきました。

タケダノリヒロさんについて

アフリカ・ルワンダにて青年海外協力隊として活動される傍ら、ご自身のブログ「タケダノリヒロ.com | ルワンダの暮らしを伝え、生き方を考えるブログ」にてルワンダに関することやご自身の趣味・関心について様々な情報を発信されています。
ルワンダでの任期を終えられ日本に一時帰国された現在も、大学での講演会などルワンダのさらなる認知度向上のために活動を続けられています。
ルワンダでの生活の中で、趣味として様々な場面でウクレレを演奏されていたそうで、ブログには現地で行われたアコースティックライブについての記事も掲載されています。

参考記事: ルワンダ北部でアコースティックライブ・ツアー@女性支援NPO&図書館のある山奥のコミュニティ | タケダノリヒロ.com

※ 下記のインタビュー内容はタケダさんがルワンダ滞在中のものです。現在は任期を終えられ、日本に帰国されています。

「小さくて携帯しやすい」という魅力

今回はインタビューにご協力いただきありがとうございます。まずはタケダさんがウクレレを始められたきっかけを教えてください。

きっかけは、青年海外協力隊としてアフリカのルワンダに派遣されたことです。私は中学生の頃に父親の影響でアコースティックギターを弾き始めました。それから高校に入ってバンドを組み、ベースを担当。大学でもバンドサークルに入ってベースを弾いたり、家でギターを弾いたりしていました。

大学卒業後、3年間国内の会社で働き、青年海外協力隊に参加することを決意。アフリカのルワンダに配属されることになりました。そのときに、「きっと途上国生活でストレスもたまるだろうし、現地の人との交流にも役立ちそうだし、ギターでも持っていきたいな」と思ったんですが、荷物制限があるのでギターは厳しい…。ということで、思いついたのが小さくて携帯しやすいウクレレでした。

↑スーツケースに入れて持ってきたウクレレ

現在はどのようなお仕事をされているのですか?

青年海外協力隊としてアフリカのルワンダで働いています。もうすぐルワンダに来て2年になります。与えられている任務は「コミュニティ開発」で、言い換えれば地域住民の生活向上をお手伝いすること。特に、水・衛生環境の改善が求められています。

途上国では劣悪な衛生環境によって、命を落としてしまう子どもたちもまだまだたくさんいます。ルワンダでも年間900人以上の5歳以下の子どもたちが、下痢によって亡くなっていると言われています

参考: Rwanda | WaterAid America (英語)

幸い私がルワンダにいた2年間で、だれかが命を落とすようなケースを見ることはありませんでした。それでも水の扱い方や衛生環境において改善の余地はあるので、水因性疾患(質の悪い水や衛生環境によって発生する病気)を防ぐために、学校や地域で衛生啓発活動に取り組んでいます。

遠い異国の地での「ストレス解消」に

ウクレレが仕事や私生活に影響を与えていると感じることはありますか。

いちばんはストレス解消ですね。ルワンダ生活は思ったよりは快適でしたが、日本と比べれば不便・不満を感じる場面も多いです。

たとえば、ルワンダではまだ外国人が珍しいため、道を歩いているだけで「ムズング(外国人)!」「チャイナ!」「チンチョンチャン!(中国語を真似た挑発)」と声をかけられるときもよくあります。

機嫌が良ければスルー出来ますが、虫の居所が悪いとほんとうにイライラします。そんなときでも家に帰ってウクレレを弾きながら思いっきり歌えばたいていのストレスは解消できますね。田舎の大きな家に住ませてもらってるので、歌っても近所迷惑になりませんし。

停電したりインターネットの接続が途切れたりすることも多いのですが、そうするとやることが限られるので、真っ暗な部屋でひとりウクレレを弾いていることもよくあります

やはり癒しの音色はウクレレの最大の魅力ですよね。なにかお気に入りの曲や、ストレス解消におすすめの曲はありますか?

もともとウクレレで弾くのはJason MrazJack Johnsonが好きだったんですが、最近は『ふるさと』や『見上げてごらん夜の星を』など、童謡や歌謡曲にハマっています。海外生活が長くなってきたからか、大人になったからか、日本の古き良きメロディと歌詞がいいなあと思いますね。

人との「交流」を生むウクレレ

今までに経験がある、もしくは今後考えている、ウクレレが活きる場面はありますか。

いちばん役立ったのは、子どもたちと交流するときです。ルワンダに来て最初の1か月はルワンダ人の家庭でホームステイをしていました。

その家の子どもたちはわりと大人しくて最初はゲームばかりしてたんですが、私のウクレレに気づくと「それってバイオリン?教えて!」と言ってきました。「バイオリンじゃなくて、ウクレレって言うんだよ」などと言いながら一緒に弾いているうちにすぐに打ち解けることができたので、「ウクレレ持ってきてよかったー」と心から思った瞬間でした。

仕事でもウクレレは活用できました。衛生啓発活動の一環で、指導している学校の子どもたちといっしょに「クラブ発表会」というイベントを開催しました。ルワンダの学校の「クラブ」は、日本でいう「委員会」のようなもの。衛生クラブやエイズ予防クラブ、空手クラブなどが、地域住民に向けて日ごろの成果を発表する場を設けました。とはいえ、まじめな発表だけではつまらないので、ほかの日本人といっしょにアコースティックライブをやったんです。

ここでウクレレを弾きながら、ルワンダ語でルワンダの曲を歌ったら大好評でした。近所の人たちに会うと、いまでも「あれ歌ってよ!」と言われますね(笑)

17年12月には北部のムサンゼとブレラという地域でも、ライブを開催しました。

ほかの参加者が空手やアカペラを披露してくれて、私もウクレレを演奏したんですが、現地の方々はとてもノリが良くて、人生で一番楽しいライブになりました。

18年1月で青年海外協力隊の活動は任期満了となりますが、そのあとはまたルワンダに戻ってきて自分でビジネスを立ち上げる予定です。それ以降もなにかしらの形でウクレレや音楽の力を活用していければと思っています。

「手軽さととっつきやすさが魅力」のウクレレ

私も一度だけウクレレを見せた時に「バイオリン?」と言われたことがありますが(笑)、ルワンダにもそういう人がいるということは、ウクレレの知名度はかなり低いのでしょうか?

ウクレレの知名度はかなり低いですね。と言うよりも「ウクレレ」を知っていた人にはまだひとりも出会っていませんし、「ウクレレって言うんだよ」って教えても全然ピンと来ていないですね(笑)

やはりそうなんですね。ルワンダの方々はウクレレの音を初めて聞いた時にどんな反応を見せますか。

反応はやっぱり「弾いてみたい!」がいちばんですね。弦を触りさえすればコードを押さえなくても綺麗な音が出るので、その手軽さやとっつきやすさが魅力のひとつですよね。
子どもたちの近くにちょっと放置しておくとすぐ勝手にポロポロ弾き出して奪い合いになるので、壊されないかヒヤヒヤしますが(笑)

「だれもがウクレレを弾けるような日が来るように」

音楽が社会貢献活動と繋がる部分はありますか。またそこで、ウクレレはどんな役割を持ちうると思いますか。

ルワンダで暮らしていて強く感じるのは「知らない世界を知ること」の大切さです。私の住む農村部では、テレビのある家庭も少ないですし、インターネットを使える人も限られているので、外の世界に触れる機会はほとんどありません。

外の世界を知らないと「異質なもの」に対する想像力が養われず、「『チンチョンチャン』って言ったら、あの外国人は嫌な思いをするかな」なんてことを考える機会もなく、バカにするような態度を取ってしまうこともあるんだと思います。

でも音楽があれば、言語の壁を越えてダイレクトに「知らなかった世界」とつながることができます。「ルワンダの音楽と日本の音楽は、リズムもメロディも全然違うけど、どっちも素敵だな」とか、「日本語の歌詞はなんて言ってるかわからないけど、響きが綺麗だな」と思ってくれる人も多いはず。

そうやって、人は「世界には知らないことがたくさんある」と気づくことで好奇心や探求心を養い、自身の視野や可能性を広げていけるのだと思います。

特にウクレレは安価で比較的簡単に弾くことができるので、音楽が未知の世界だったとしても、その「入口」として最適な楽器なのではないでしょうか。現在のルワンダでは、貧困のため楽器など触れる機会すらなかなかありません。いつか音楽がもっと身近になって、だれもがウクレレを弾けるような日が来るように、自分のできることをやっていきたいと思っています

ご協力ありがとうございました!

取材後記

遠い異国の地で社会貢献に携わるタケダさんからウクレレの未来や可能性についてお伺いして、ウクレレという楽器の魅力について改めて認識できた点と新たに発見できた点があり、私自身非常に有意義な取材になりました。
音楽が人に与える「好奇心や探究心」、そしてタケダさんも何度もおっしゃっていたウクレレの「手軽さ」が、これからのウクレレの未来を切り拓く鍵となり得るのではないかと思います。

◎ タケダさんよりお知らせ
青年海外協力隊での経験を活かして、ルワンダでのスタディツアー運営を計画しています(18年夏開始予定)。ルワンダの歴史・文化・ビジネスを学び、ボランティア&ホームステイ体験ができるプログラムです。

デモサイト→http://norehero.sakura.ne.jp/ (18年1月現在、募集はまだしていません)

「アフリカに行ってみたいけどちょっと不安……」「社会貢献に興味があるけど踏み出すきっかけがない……」という方に、入口を提供することを目的としています。
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早稲田大学国際教養学部在学中。当メディア編集長を務める。
大学入学と同時にウクレレを始め、サークル活動ではアコースティックやバンド編成での演奏を経験。
2015年から、ハワイ大学マノア校(University of Hawaii at Manoa)での一年間の留学を経験。ハワイにおける観光産業の動きや経営について学ぶ。

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