【特別対談】Re-UKE:ウクレレの再定義 ー 後編

Ukulele Liberty編集部
こんにちは!Ukulele Liberty 編集部です。

今まさにウクレレ業界の最前線を走る若手トッププレーヤー4名(名渡山遼さん、Tomoki Satoさん、DAICHIさん、SHINさん)による対談の後編となります!!ウクレレシーンの未来を担う20代の彼らは、奇跡的に全員同じ学年。まさに「黄金世代」と言っても過言ではないのではないでしょうか。

そんな彼らが日本のウクレレシーンについて熱く語ります。
前編をまだ読んでいない方は、こちらから!

それでは、早速いきましょう!

対談に参加した「92~93世代」のプレーヤー達

名渡山遼 Ryo Natoyama

ウクレレシーンに新たな風を呼び起こす、
日本の若手プレイヤーの中でもナンバーワンの呼び声高いウクレレプレイヤー。

1993年生まれ。小学校6年生の夏休みのハワイ旅行で家族がお土産に買ったウクレレを弾き始める。14歳の頃にはハワイのウクレレ・プレイヤーのオープニングアクトを務める。2010年、ジェイク・シマブクロのジャパンツアーにも出演。これまでに3枚のオリジナルアルバムをリリースし、2014年7月には3rdアルバム「RAINBOW」を発売。海外からも注目を浴び、ハワイ、イギリス、オーストラリア、香港、タイのウクレレフェスで演奏し、そのプレイが絶賛された。2015年には4thアルバム「UKULELE SPLASH!」、クリスマスアルバム「UKULELE Merry Christmas!」を発売。”ハワイのグラミー賞”と言われる「第39回ナ・ホク・ハノハノ・アワード」最優秀インターナショナル・アルバム部門にダブルノミネートされ、「UKULELE SPLASH!」が日本人としては最年少で見事に受賞した。イマジカBS20周年記念ドラマ「いつも まぢかに」のサウンドトラックも全曲を手がけるなど音楽家としての評価も高まっている。 2016年7月、メジャーデビューアルバム「Made in Japan, To the World.」がキングレコードより発売。12月には過去のバラード曲を集めたベストアルバム「Best Ukulele Ballads」も発売される。2017年7月にはハワイをテーマにしたニューアルバム「Home away from home,”HAWAII”」が発売される。

若干24歳ながら超絶なテクニックと癒しのプレイを自在に操る、
世界中で今後の活躍が最も期待されるウクレレ・プレイヤーの一人である。
愛用のウクレレを全て自身で製作するウクレレビルダーでもある。

出典:http://ryonatoyama.com/biography/

Tomoki Sato

ウクレレプレイヤー/シンガーソングライター。
16歳でウクレレと出会ったのちに渡米。現地のBarなどでLIVE活動を行なう。帰国後はYouTubeにアップした「Happy」のカバー動画が話題となり現在再生回数28万回を達成!オーストラリア、イギリス、イタリアetcのフェスにも参加するなど海外にも活動の場を広げる。

昨年自身初のフルアルバム「La la life」を発売。本作でウクレレ and ボーカルという独自のスタイルを確立。Groovyで時にMellowなウクレレと甘いボーカルに加え、Happyで心地よい空気感に包まれたライブパフォーマンスが人気を呼んでいる。

今後最も活躍の期待されるウクレレアーティストの一人。

出典:https://www.tomokisato.com/biography


DAICHI – 渡辺海智(ワタナベダイチ)

1993年1月、千葉県千葉市生まれ。

2003年、10歳でウクレレと出会う。
2007年、渋谷にてウクレレバンドのオープニングアクトでライブデビュー。2009年、ソニー ウォークマン「Play You」プロジェクト告知用ラジオCMに出演。2010年、アメリカンエクスプレス LET’S PLAY UKULELE CONTESTにて、オリジナル曲「kaikea」でJAKE SHIMABUKURO特別賞を受賞。2013年2月、ハワイで開催された第3回インターナショナル・ウクレレコンテストでオリジナル曲「Lealea」がアダルトソロ部門優勝&HONOLULU KZOO Radio賞のW受賞。2014年夏、ニューヨークの老舗ライブハウス「The Bitter End」に単独出演。2015年6月、2ndアルバム「New World」がiTunes先行発売と同時にiTunes ワールドカテゴリーランキングで4位獲得。2016年5月、ハワイで開催された Na Hoku Hanohano Awards 2016 に2nd アルバム「New World」がノミネートされる。2016年9月、2ndアルバム「New World」がiTunes ワールドカテゴリーランキングで1位獲得。2017年1月、第15回千葉市芸術文化新人賞受賞。

現在、様々な楽器とのコラボレーションや作曲・編曲、ワークショップ、
ライブ等幅広く活動中。

出典:https://www.ukuleleda1.com/profile-1/ 

SHIN (from ninja beats)

1992年12月23日生まれ。
早稲田大学国際教養学部卒業。

17年間サイパン島で育った帰国子女。10歳でウクレレを弾き始め、
中学時代にウクレレの全国大会「ジ・ウクレレコンテスト2008」決勝大会出場、高校時代にはLouis Vuitton(サイパン支店)にて店内ミュージシャンとして採用される。

ウクレレ×ヒューマンビートボックスの音楽ユニット「ninja beats」として、
参加34か国5万組以上が参加する世界最大のバンドコンテスト「EMERGENZA Music Festival 2015」にて総合優勝。2016年にはヨーロッパツアーやパリでのツーマンライブを成功させる。2017年5月、Red Bull Studios Tokyoにてレコーディングを行った新譜「RINNÉ」をリリース。

2017年8月、100年後のウクレレシーンを見据えたプロジェクトとして
次世代のウクレレWEBメディア「Ukulele Liberty」を立ち上げる。

参考:http://www.ninjabeatsofficial.com/

以上の4名で対談を行っていただき、Ukulele Liberty 編集部が記事にまとめました!

▼ウクレレコミュニティの重要性

SHINさん

SHIN:遼くん、今日なぜか1人だけ5時に起きて、6時には渋谷(=取材場所)来てたらしいね。気合いが半端ない。

Tomoki Sato (以下 Tomoki):今、朝の9時だけど、すでにやりきった感あるのでは。笑

名渡山遼 (以下 名渡山):いやぁ。せっかくなら朝早く来てカフェでお仕事しようと思ってさ。明日も地方でライブだから、午後には移動しないといけなくて。

SHIN:ライブで全国飛び回ってるよね!!

DAICHI:うん。たまに遼くんがどこにいるのかわからないもん。笑
自分は、もちろんこれからもライブ活動はしていきたいんだけど、次世代を育てたいという気持ちが最近強いかな。今の生徒さんも大切にしつつ、キッズ層から初めて、プロ育成コースをやるのも凄く興味がある。

ポスト名渡山遼のウクレレプレーヤーじゃないけどさ笑、そういう存在をどんどん輩出したいな。

Tomoki:間違いない!そういう子を早い段階から育てられたらいいねぇ。業界全体にとっても、スタープレイヤーが生まれるのはプラス。

名渡山:ウクレレキッズ、業界にとって大切だよね。
ちなみに、SHINくんってどういうきっかけでウクレレ始めたんだっけ?

SHIN:自分はサイパンの授業だったから。。日本とはちょっと環境が違ったんだよね。。参考にならなくてごめん。苦笑

名渡山:ああ、そっか。個人的にいつも感じてるんだけど、キッズがウクレレを始めるときって、保護者の影響やサポートがかなり重要ではないだろううか。その点SHINくんはどうだった?

SHIN:そうだね。親はウクレレは弾かなかったけど、たくさん協力してもらったよ。地元のバーで弾くときには夜遅くでも送り迎えしてくれたし(*サイパンは車社会)、ジ・ウクレレコンテストの決勝に出場した時も日本への旅費を快く出してくれたし。感謝してもしきれないぐらい。みんなも似たような経験あるよね、きっと?

一同:大きくうなずく

名渡山:根本的な話になって恐縮なんだけど、どうやったらキッズが増えるかって、凄い考えることがあるんだ。直球でキッズ向けのコンテンツをやるのか、それともまずは保護者層へのアプローチが必要なのか。

というのも、自分の場合は、まず母がハワイにはまって、父がウクレレ欲しいって言い出すところから全て始まるんだよね。それこそ「親がジェイク・シマブクロが好きで、子供とライブに行って、そこから子供ものめり込む」そんなパターンが過去には結構あったと思う。

当然、Tomokiみたいに中学生になってから自分の意思で弾き始めるケースもあるけれど、家族でウクレレにはまることが多い気がしててさ。DAICHIも家族ぐるみでウクレレにはまったそうだし。

SHIN:家族全体はもちろん、リアルなコミュニティとしてウクレレを弾ける環境があれば絶対長続きするよね。ただ、その仕組みが日本にはまだまだ足りていない。その点、コミュニティの最小単位である家族の誰かしらがウクレレを弾いていたら、確実にキッズはウクレレと触れ合えるよね。お母さんお父さん、おばあちゃんおじいちゃん。まずは身近で弾いている人がいるって大事。

DAICHIさん

DAICHI:子育て真っ最中の層にアプローチしていくのも必要だし、もう少し手前の年齢でも弾く人が増えたらいいな。近い将来子育てをする可能性が高い層。20代後半ぐらいかな?

そのためには、色んな切り口のイベントをたくさん開催していくしかないよね。今までとは違うウクレレの魅力を発掘するというか。SHINくんがやっているみたいにシーシャとかヨガと掛け合わせたりとかさ。ウクレレを気軽に体験できる場が必要。

名渡山:そういう点で、ウクレレのコミュニティがかなり上手く機能しているのが、金沢なんだよね。

一同:おおおおおお(賛同の声)

Tomoki:ジ・ウクレレコンテストの大阪予選でゲスト演奏やらせていただいたから何人か金沢から来た子を見たけど、どの子もレベル高かった!!金沢でどういう取り組みが行われているのか知りたいね。

SHIN:ほんとそれ。いつか金沢出張して特集組もうと思ってるぐらい、気になる!!笑

▼新しい「当たり前」が再定義に繋がる

左から:名渡山遼さん、Tomoki Satoさん、SHINさん、DAICHIさん

SHIN:DAICHIくんが関心のある後進の育成、素敵だよね。
なんかさ、こういう業界全体を俯瞰的に見る話、3年前なら出来なかったと思う。「自分が!!」って言うのがまだ強くて、その余裕もなかった。

Tomoki:次の世代まで考えることなんて、まだできなかったな。苦笑

名渡山:自分たちも25歳だからなー!!

DAICHI:うん。ターニングポイントと言えばターニングポイント。これから先の話は、理想を追いつつも、現実も見ないといけない。

Tomoki:自分含め、ここにいるみんなは周りからは若手プレーヤーって言われてるけど、実際若手では無くなってきてるよね。たくさん支えてきてもらったから、今度は自分たちが支えていく側にも回っていかないと。

名渡山:Tomokiの言う通りだね。自分たちが動かないといけない。それこそ、先輩方が開催してくださっていた大きいフェスに出演する側じゃなくて、企画する側に回らないといけないというかさ。人任せじゃなくて。

SHIN:あ、ここで「再定義」ってキーワードぶっこんでいい?笑
みんなが言ってくれているように、もうそろそろ自分たちが業界を引っ張っていかないといけない年齢になってきているんだよね。

だからこそ、このタイミングを活かして、今までになかった演奏スタイルや異ジャンルとのコラボレーションをこの世代でガンガン取り入れる。多様なニーズにあったレッスンも実現させて、プロ育成コースまで成り立たせる。新しい魅力を発掘して、情報発信ができる媒介を作る。

すると、次の世代は今挙げた要素や発想を「当たり前」だと思ってくれる。出発点がそもそも自分たちのときとは違うから、彼ら彼女らからはさらに斬新な発想がでてくる可能性が高い。それが結果的に「再定義」に繋がって、ウクレレの新しい文化を作る。

誤解を恐れずにいえば、自分たちはあくまで引き金でしかない。僕は、本当の意味でウクレレの可能性を開花させるのは次の世代、10代以下の子達だと信じてるんだ。

名渡山遼さん

名渡山:少なからず、同じ志を持ったプレーヤーがここに4人以上いるわけじゃん。実際はもっといるよね。上にも下にも。これだけ仲間が揃ってるなんて本当に恵まれてるんだから、絶対やらないといけない。

もちろん各自がそれぞれの表現したいこと実現したいことは追求していけばいいんだけど、その中でも何か一つ同じ目標を目指したいね。あと、お互いの苦しんでいるところとかも話し合って、支え合うことも必要かも。きっと、みんなあるんじゃないかな?そういう悩み。

DAICHI:あるよ〜〜!聞いて〜〜〜!

▼「ウクレレ会議」 by Ukulele Liberty

SHIN:べらべら喋ってごめん、そこからまた繋がってくるんだけどね。

まだ編集部にすら言ってないんだけどさ。Ukulele Libertyで「ウクレレ会議」というイベントをしかるべき時期が来たら作ろうかなって思ってて。要はみんなで「ウクレレの未来を考える」機会を設ける。今日この4人でやっていることの発展版。

Tomoki:確かに、それいいね。成果の報告とかもできたらいいね。
むしろなんで今まで無かったんだろう?

SHIN:そうそう!例えば、「何本ウクレレが売れて、市場規模が前年比で何%成長した」「数百名以上動員した新規イベントが○個生まれた」「海外のコンテストで受賞した方が○名いた」とかさ。何かしら突出した成果を出した個人/企業/団体がいたら、表彰とかもしていいよね。

もちろん、良かったことだけじゃなくて、業界全体の課題もみんなで共有して「じゃあ来年度は○○を改善するために○○な動きをしていきましょう」みたいな話をしたい。

名渡山:素晴らしい。1人で頑張っちゃうと、後に絶対続かないんだよね。例え1人スタープレイヤーがいたとしても、そこの仕組み作りがしっかりしていかないと、一過性の物で終わってしまう。

DAICHI:広がる仕組み、作ろう。

名渡山:ウクレレのマーケットが広がるってことは、ウクレレで食べていける人が増えるからね。どんどん良いミュージシャンが増えてきて、どんどん良い音楽が生まれてくる。

▼ウクレレという「楽器」

Tomoki Satoさん

Tomoki:ここ(音楽スタジオ)でさ、ウクレレが置いてあって、レンタルできたら凄くない?それこそウクレレのマーケットが広がったってわかりやすい指標になると思うんだけど。笑

DAICHI & SHIN:わかりやすい!!

Tomoki:音楽スタジオに常設してあるってことはそれだけ演奏人口がいるってことだし、音楽業界全体から「ウクレレは楽器」として認められている証拠になりえる。業界全体としても目指したいところだね!!

名渡山:あとはさ、大学の弦管打楽器コースに「ウクレレ専攻」とか欲しいな。

Tomoki:確かに。色んな弦楽器がすでにあるのに、ウクレレが無いのは違和感ある。笑

DAICHI:ウクレレの専門学校もあって欲しい。そのためには、ウクレレを教えられる人も増やさないといけないんだよね。ウクレレを習いたい人が出てきたときに対して、教える人がまだまだ不足している気がするんだ。

Tomoki:プロを含め専門性がある方が増えることは絶対に鍵だね。
ただ、それ以上に、純粋に人口がもっと増えたら自然とそういう突出したプレーヤーは出てくると思ってる!

やっぱさ、色んなスタイルがあっていいと思うんだ。どんな形もある意味正解。プロでもアマチュアでも、ただ楽しむだけでも。ソロでも、歌うのでも。まあ、結局、どんなスタイルであれ、教えられる人を増やさないといけない。

名渡山:ウクレレが広まるってことはいいことだから、どんな広まり方でも結論いいよね。みんなで頑張ろう!!

ー 対談終了後 ー

おのみずき(撮影担当):なんか、みなさん、100年後にウクレレの歴史上の人物になってそう。。いきなりごめんなさい。笑

名渡山:じゃあ、僕は坂本龍馬がいいかな!

DAICHI:僕はなんだろう。。

SHIN:確かに遼くんは日本のウクレレを文明開化させてくれそう!

Tomoki:いやいや、そういう話じゃないでしょ、歴史上の人物って。笑

▼編集後記

以上、特別対談「Re-UKE」をお届けしました!

「ウクレレ(uke)を再定義(re-define)する」というビジョンを持つ92~93世代のウクレレプレーヤーたち。黄金世代とも言える彼らが今後どのようにしてウクレレカルチャーを発展させてくれるのか、非常に楽しみです。当メディア「Ukulele Liberty」もそのムーヴメントの一環ということで、編集部一同身が引き締まる思いです!

野心溢れる20代の彼らが、業界を巻き込んで一つの方向を目指そうとする姿勢は、ウクレレシーンのみならず日本の音楽業界にまでインパクトを与えることでしょう。

名渡山遼さん、Tomoki Satoさん、SHINさん、DAICHIさん、ありがとうございました!!

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Ukulele Liberty 編集部

「ウクレレをもっと自由に」をコンセプトに、当メディアにて記事を企画・執筆・編集をしております。1人でも多くの方にウクレレに興味をもってもらえるよう、日々奮闘中。

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2 件のコメント

  • 周りで願っていたことを形にしてくれそうで、期待にワクワクします!子供人口を増やすには。小学校の音楽の先生にウクレレ奏者がいればいいのです。日本の小学校って、ピアニカとリコーダーですけど、あれは、決められたことではないの、ご存知ですか?授業でどの楽器をやってもいいのです。ただ、安価で扱いやすいということで、そうなっているけれど。ウクレレで授業をやってくれる先生と、子供たちに楽器を寄付または補助するシステムがあれば、小学校の音楽の必須がウクレレになるのです!それを夢見ていますそのためにも、学校の音楽鑑賞会でもっと、ウクレレや他の楽器とのコラボを聞く機会も作ってくださいね。

  • 興味深いです。

    小さい頃からその子の才能に気が付くかどうかは
    やっぱり身近な家族だと思うのです。

    大和は、ただただ運がよく
    ウクレレとは、出会うべくして出会った感じです。
    母と一緒に始めたっていうのもよかったのかもしれません。

    まだ、小学校低学年では、チューニング、一人でできなかったですから(笑)

    ウクレレに限らず、親がどれだけ子供に協力できるのか。。。
    子供の才能を伸ばしてあげられるか。。。

    それって、「かけ」みたいなものもありますけどね笑

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